日野草城1901–1956

ひの・そうじょう | モダニズム俳句の旗手。無季俳句への道を拓いた

小伝

東京・上野に生まれる。京都帝国大学在学中から「ホトトギス」で活躍し、二十代で頭角を現した早熟の俳人である。都会的で艶のある句風はやがて伝統の枠を踏み越え、昭和九年、新婚初夜を連作で詠んだ「ミヤコホテル」十句は、虚構を含む主題と官能性をめぐって俳壇を二分する大論争を巻き起こした。

草城はさらに無季俳句を容認する立場を鮮明にし、「旗艦」を創刊して新興俳句運動の中心となった。伝統派からの批判は激しく、「ホトトギス」同人からも除かれたが、戦後、病床にあって作風は静謐の度を深め、晩年には虚子との和解も果たした。俳句の題材と形式の自由を押し広げた功績は、いま振り返れば新しい俳句のすべての源流のひとつである。

代表句

ミヤコホテル 冬についたる 二人かな

季語:冬(冬) | 俳壇を二分した「ミヤコホテル」連作より

春の灯や 女は持たぬ のどぼとけ

季語:春の灯(春) | 都会的な官能を詠んだ代表句

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俳句は伝統の型を守る道も、型を破る道も、どちらも本物である。草城のページを読んだあとは、虚子のページと読み比べてみてほしい。両者の緊張関係こそ、近代俳句の推進力だった。

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